柴原眞紀

柴原眞紀 - Maki Shibahara
大正14年3月開園の伝統を持つ秩父幼稚園の4代目園長。秩父幼稚園は、平成18年4月に秩父保育園も併設した。また「えんじエイド」という教育振興プロジェクトを立ち上げ、子供たちのために精力的な活動を行っている。「きみにとどけよう」では、実体験に基付いた熱い想いを込めて作詞を手掛けている。教育者としてだけでなく、繊細な詞を紡ぐクリエイターとしても才能を発揮している。
「きみにとどけよう」の歌詞はどんな想いで書かれましたか?
この歌詞を書くきっかけになったのは、当時不登校だった娘への想いです。
きっと彼女は部屋でいっぱい悩んでいるんだろうな…とその時私は感じていました。なかなか届かない母としての気持ちだけど「いつだって応援しているよ」、そしていつか、ちゃんと歩き出して私のもとから離れていっても「いつだってこの空を見て君のことを応援しているよ」という気持ちが込められています。
きっかけは母としての娘への想いでしたが、幼稚園の園長でもある私のこの気持ちは、全ての子供たちやママたちへの気持ちでもあるんです。
柴原さんは、乳幼児教育振興のため「えんじエイド」というプロジェクトを設立されましたが、それを立ち上げた理由を聞かせてください。
とにかく就学前のお子さんの教育現場をより善くしたい、そして保護者の方々により善い情報をお届けしたい、という理由です。それを実現させるには幼稚園という形態だけでは難しいのです。もっと大きな視野で、大きな形態で子どもたちを見つめる活動をしていきたかったのです。
乳幼児教育の現場でのご苦労、ジレンマ、憤りなどを聞かせてください。
とにかく幼児教育の重要性の理解度が低い、これが寂しいですね。
実は心や脳の発達には5〜6歳時期の教育が重要なのです。その時期の体験がホントに大事です。まずはこの事実をきちんと捉えることが、教育現場環境をより善くするポイントだと思っています。
課題はいくつかありますが、例えば障害児の教育環境の空虚という問題があります。
障害をお持ちのお子さんにとっても、幼児期をどう過ごすかが大きな鍵です。
ご家族、特にお母さんはご自分をたくさん責めてしまいます。彼女たちを、様々な立場の皆で支えていくことが社会として必要だと切に思います。
障害児を抱えるお母さんたちは、なかなか働きに出られません。障害児を抱える幼稚園は仕事量が何倍にもなり、先生の人数が足りなくなります。
それなのに、障害児を受け入れる幼稚園への国の補助金は現状ではあまりに少なすぎます。
これでは安心して障害児をお預かりできません。お母さんの悩みを聞くことができません。
障害児教育を頑張ると幼稚園は潰れてしまいます。どうしてこうなるの!?という感じです。
そこが、現状における障害児教育環境の大きな問題だと思います。
もう一つ、お母さんたちのケアという意味で大きな問題があります。
最近、若者による凶悪で痛ましい事件をニュースで聞くたびに心が痛みます。
インターネットや携帯電話の進化で、子どもたちは人との繋がりの薄い情報化社会に育ちます。
こんな時代に何を指針にして子育てをすればいいのか?お母さんたちは戸惑っていると思うんです。だからお母さんの不安をしっかり受け止めて、プロとしての育児情報を流していくことが、私たちの大事な仕事であり課題だと思っています。
教育現場での喜びを教えてください。
もう毎日が幸せすぎる!!
だって毎日成長を喜んで、とびきりの笑顔がいっぱいの仕事場なんてそうはありません。
それぞれの家庭の状況を踏まえると喜びもひとしおです。
家族や子育てで悩んでいた方が、ちょっとした私の一言がきっかけになってお母さんとしての接し方に自信を持てる、ということがあります。そうするとお子さんものびのびして、お友達と上手く遊べるようになってきて…、これは嬉しいです。
喜びの場面はたくさんありますが、昨年クラスで一番最後に跳び箱8段を跳べるようになった子が印象的です。跳べたその日は本当に感動的でした。
みんなの割れるような拍手が、まだ耳の奥に残っています。
早くに出来るようになるのが偉いのではなくて、それを乗り越えた努力と成果が素晴らしいのです。だからクリアするのが遅い子でも、出来た時にその努力と成果をキチンと誉めると、それはコンプレックスにはならずに喜びに変わります。また友達を応援することを教えると、遅いことをバカにはしません。子どもはみんな思いやりに溢れています。
幼稚園は感動の毎日です。
そんな毎日を生きられる私は、すごく幸せ者です!
子供たちへのメッセージを聞かせてください。
夢をしっかり持ってください。
そして、夢を実現するためにしっかりと目標を持ってください。
きっと、きみにしかできないステキな方法で周りの人を幸せにすることが出来るはずです。
精一杯頑張ってるきみは、いつだってかっこいい!!
ママさんたちへのメッセージを聞かせてください。
お子さんが病気になったりケガをしたり取り返しがつかないくらいの大けがをしても、ご自分を責めないでください。
不登校でも、いじめてもいじめられても、それは全てあなたの子育てが悪いわけでは決してありません。
大丈夫です。
だからご自分を責めないでください。
責めてばかりいたら、お子さんは幸せにはなれないのです。それに、あなたの笑顔が台無しですよ。
みんなみんな幸せになるために生まれてきます。あなたのお子さんは、あなたの子供として生まれて幸せなはずです。大丈夫です。
たまにはゆっくり息をして、静かにご自分の事を褒めてあげてください。
だって、毎日とっても頑張っているからね!
mother sideへの期待を聞かせてください。
「ママってどうしてこんなに孤独なのかしら…」という私の実体験から生まれた「ママに寄り添いたくて」という気持ちが、たくさんの人に伝わったら嬉しいです。
ホントはみんな優しくてステキなママなのに、不安と寂しさでついつい優しい気持ちにフタをしているママたちが多い気がします。本来のママの優しさを思い出してもらえるように、ママの笑顔が増えるように、「mother side」が広がっていくことを祈っています。
高橋浩美
高橋浩美 - Hiromi Takahashi
養護学校の教師。4歳の時に両親にせがんで買ってもらったピアノだったが、バレーボールに夢中でピアノの鍵を何度も閉められる…。しかしその後素晴らしい先生方との出会いからピアノを学び、音楽を活用した現在の教育スタイルの基盤を創る。キムタク大好きなママは、現在秩父屋台囃子の大太鼓に挑戦中。ママ・先生・クリエイター、3足のワラジを履いて毎日奮闘中!
「きみにとどけよう」のメロディーはどんな想いで書かれましたか?
詩がとても深くて温かい…素敵だなあ…と思いながら眺めていると「大きな空に向かって…」の部分から旋律が湧いてきました。その後は前半部分もすぐに形になっていきました。想いを一言で言うとすれば「大きな地球の上に存在するあらゆるものに、深くて大きな愛が届きますように」そんな気持ちでしょうか。
教育現場での喜びを教えてください。
現在、養護学校で障害のある生徒さんと毎日生活をしています。子供がなかなか心を開いてくれず、そして子供たちのことを理解してあげられずに苦労することもあります。しかし、小さなことでも分かり合えた時の瞬間の喜び、笑顔、これは何とも言えない喜びですね。
子供たちへのメッセージを聞かせてください。
みんな可愛いよ。大好きだよ。一生懸命なところがいいなあ。いつでも応援しているよ!
ママさんたちへのメッセージを聞かせてください。
私は知的障害を持つ中学生の男の子のママです。先生から障害を告げられたのは彼が4歳の時でした。それから今日まで色々なことがあったけど、彼のおかげで人間として成長させてもらいました。彼に感謝しています。ママって大変で本当に疲れちゃうけど、一緒に頑張りましょう。最近彼に言われる言葉は「ママ、笑顔」。やっぱりママは笑顔でいなくちゃいけないみたいです。反省…。
mother sideへの期待を聞かせてください。
色々な想いを抱えながら頑張っているママたちに、ホッとできる時間を提供出来たらいいなあ。
まずはこの曲を聴いて、今よりもっと「笑顔のママ」になってもらえたら嬉しいです。
浩美先生の教育理念を聞かせてください。
「まずは一人一人のすべてを受け止めることから始まる」
周りの先生方がしていらっしゃる、子供との素晴らしいコミュニケーションを見ていて、最近特に思うことです。
浩美先生の感じる「音楽の力、魅力」を教えてください。
目には見えないけど、空気の中を伝わって心と心を結んでくれる不思議なもの。
私は、その力に支えられてお仕事をしています。神様ありがとう…と言いたいです。
MIKIKO

MIKIKO ー [ 歌手 ]
1982年1月22日生まれ。
2000年、R&Bユニット“1650B'way”のヴォーカルとして音楽活動をスタート。2002年、二十歳の誕生日を迎えた翌日、シングル“214〜Believe in me tonight〜”でソロデビュー。自身の音楽活動のほかに、他アーティストへの歌詞提供やバックコーラスとしての活動などを行い、幅広く活躍中。
MIKIKO Official Homepage … http://www.mikiko.jp/
「きみにとどけよう」はどんな想いで制作されましたか?
1年ほど前でしょうか…。
あるきっかけで柴原さんとお近付きになったのが事の始まりでした。
お付き合いを深めていくうちに、私は次第に現代の乳幼児教育現場の状況を知ることとなりました。その時に、憤りにも似た感情に胸を締め付けられたのを覚えています。
教育体制の不備やいじめの問題、育児ノイローゼ…、教育現場には様々な問題が次々と生まれて蔓延しています。
そんな状況の中、大切なのは「お母さんの存在」だと考えています。
心も体も元気いっぱいの子供を育てるには、まずお母さんが元気でないと!という想いから、mother side の立ち上げ、企画、制作に関わらせて頂いています。
お母さんを苦しめる「壁」を一緒に乗り越えて行ける、いつも側に寄りそうお守りのような歌があれば喜んでもらえるかな…そんな願いを込めて創りました。
歌をうたう上で、心がけていることは何ですか?
体調の管理はもちろんのこと、心の管理にも気をつけています。
「歌」は目に見えないし、手に取ることも出来ないデリケートで繊細なもの…。
「気持ち」や「想い」と同じで、心でしか受け取ることの出来ない唯一の表現方法です。
今回「きみにとどけよう」のレコーディングでも、技術やテクニックよりもまず気持ちを主張し、尊重することを優先しました。
MIKIKOさんが感じる音楽の力を教えてください。
心さえあればいつでもメロディは流れ、景色が浮かび、大切な人にすぐに逢いに行ける…。
そんな魔法のような力を持つ「音楽」はまるで、誰もが幸せになれるパスポート。
昔から国や文化を問わず、どんな時代にも音楽は人間の感情を表現するツールとして用いられてきました。
現代に至っては国境を越え、世界中の人々が日々音楽で何かを伝え、発信しています。
そんな今の時代にこそ、意味のあるメッセージを持った音楽が要求されていると感じています。
差別やいじめ、人間同士の理不尽な争い事…全ては人の心が生んだ醜い社会。これらに立ち向かうのも人間の大きな課題。
「音楽」がその架け橋になれるものと信じ、創り続けることが歌い手として使命を受けた私自身の課題だとも思っています。
子供たちへのメッセージを聞かせてください。
愛という歴史を重ねて生まれてきたあなたの命。
どこかで一度でも途切れていたら存在しなかったあなたの命。
ずっとずっと受け継がれてきた命のバトンを、今、あなたが握っています。
これから先の未来にどんなに苦しいことや悲しいことがあっても、それはいつか笑顔になるための少し長い助走だと思って、自分を信じ、勇気を持って駆け抜けてください。
ママさんたちへのメッセージを聞かせてください。
誰にでも言えることですが、“頑張ること”は“無理をすること”ではないと思うんです。
苦しいときには苦しい、悲しいときには悲しいと言うことは弱音ではなく、それは勇気なのだと思います。少なくとも mother side のメンバーはその言葉を待っています。
子供の純粋さは真っ白なだけに、少し傷がついただけでも不安になったり落ち込んだりしますよね。
そんな時に「大丈夫よ」と寄り添うお母さんの揺るぎない愛情さえあれば子供はまた前を向き、自分の足で歩き出すのだと思います。
mother sideへの期待を聞かせてください。
世の中には色々な「愛」の形があります。
その中でも母と子は、誰にも邪魔されることのない不動の絆。
そんな当たり前のようで忘れかけていた、シンプルなようで難しい「愛」のあるべき姿を追求し、一人でも多くの人の心の曇りを晴らしてあげられたらいいなぁと思います。
世良有里子

世良有里子 - Yuriko Sera
1978年生まれ。映像製作会社での勤務を経た後に独立。
イラストやアニメーション、ぬいぐるみの個人製作を始めてデザイナーとしての道を歩み出す。その活躍は日本だけにとどまらず、アメリカでの作品展示も行うほど。今回、mother sideのロゴ・キャラクターのデザインと、「きみにとどけよう」のCDジャケットデザインを手がけた。
世良有里子 Web Site “FUKUMIMI” … http://www.ysera.net/
今回、「mother side」に参加された理由を聞かせてください。
「mother side」の素晴しい心意気に共感したからですね。その気持ちに少しでも答えたい…、お手伝いをしたい…と思い参加させていただきました。
「きみにとどけよう」を初めて聴かれた時の感想を教えてください。
伸びの良い声に、心と体を包まれるような想いでした。
曲の盛り上がる部分に入るところでは特に気持ちが高ぶり、思わず涙が出そうになりました。
どんな想いでキャラクター&ジャケットデザインをされましたか?
お母さんと子供とで、目と目で見詰め合うだけで心が通じる。その瞬間をイラストとしてデザインすることで、この上なく優しい関係を表現したい…そんな想いデザインをしていきました。
デザインのお仕事をされる上で、心がけていることや理念を教えてください。
作品が作られるに当たって、必ず依頼者には伝えたいことがあります。
「完成した作品を見た人にはそれが全て伝わる」そうなるようにお手伝いをする。当たり前のことですが、いつもそういうことを一番に考えますね。
世良さんの感じる「デザインの力、魅力」を教えてください。
「それを見たとたんに、言葉以上の複雑な想いを伝えることが出来るツール」そんなふうに感じています。
世良さんの感じる「音楽の力、魅力」を教えてください。
理屈なく、心に染みるものですよね。
そして、口ずさむことによって何処へでも持ち歩くことの出来る素晴しいもの、だと思っています。
子供たちへのメッセージを聞かせてください。
一言!「何にも縛られる必要はなく、自分らしくていいんだよ」ということを心に留めておいて欲しいです。
ママさんたちへのメッセージを聞かせてください。
まず、事のはじめに「愛している」という事実があることを忘れずにいてください。
そしてその想いを邪魔する権利は誰にも何にもありません。それも忘れないでいてください。
毎日いくつも訪れる決断の場面では、「その結論は笑顔になれるかどうか」それを判断基準にすることが一番大事だと思っています。
mother sideへの期待を聞かせてください。
世の中に必要であった想いが形になったと感じています。誰かが作り出さないとスタートのないこと。
mother sideが生まれたことによって、今悲しい想いをしている人たちが数年後に笑顔になっていることを楽しみにしています。

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